(1)英検(R)
の配点と合格率は?
日本国内における有数の英語検定制度のひとつであることは良く知られています。
検定内容は、筆記とリスニングに分かれており、リスニングが約40%〜60%を占めています。
特に5級〜3級まではリスニングの配点が高く、早期から音声中心の英語学習をおこなってきた小学生には優位な検定制度といえます。
小学生志願者の内訳は5級が111,039人、合格率は85%、4級は65,747人、合格率62%、3級は25,781人、合格率53%、準2級は9,838人、46%の合格率でした。
(2)小学生受験者急増の背景
その結果、この10年間で8割増、2013年度(平成25年)は22万人を超え、毎年数万人増加傾向です。小学校で英語力を身につけるための取り組みが本格化していることと幼児向けの長時間英語保育(プリスクール)やインターナショナルスクール増加が背景にあるようです。
特徴としては、3級の受験者が急増しましたが合格率は低下しています。 小学生から英語学習をスタートした場合、ここに一つの大きなハードルがあるようです。
また難関レベルの1級は253人が志願し、28人が合格、準1級が2,086人、351人合格しています。ただここでの子供たちは外国育ちが主なので国内派の基準にはならないと思います。ちなみに幼児の合格者も500人以上あった模様です。
(3)英語検定で英語の実力は本当にわかるの?
個人の持っている言語能力をひとつの検定制度で測ることには無理があります。
ですから、あくまで目安として判断していくしかありません。英検協会では各級が何年生程度とうたっていますが、これはおおきな誤解を招きます。
たとえば、3級が中学終了程度と表示されていますが、合格基準は60%程度であり、選択問題から選ぶものなので中学程度の文章構造に習熟していなくても、多様性のある豊かな言語に長時間触れ、リスニングに強いのなら小学生の段階で英検3級の合格は決して無理なことではありません。
しかし、 英検は実力のアウトラインを把握するものとして有効なのですが必ずしも学年的総合力を測るものでないことを認識する必要があります。
進んで学習している小学生の中には準2級に合格する数が増加しています。いまや、幼児・小学生の低学年からの英語学習が一般的な時代になった訳ですから、
5級は中1年、4級は中2程度とか、3級合格は中学終了程度などの基準表示は実態とまったく一致しなくなってきました。
英検協会の何級は 「○○学年程度 」などの表示は実態と一致していないことを認識した上で取り組んでいくことが肝要と思われます。
★各級の合格ラインと出題傾向*英検は、公益財団法人 日本英語協会の登録商標です。
(4)小学生が英検
を受ける意味は?
WILL英語館では英検合格を目的にしたカリキュラムを平常は実施しておりません。
英検コンテンツをはるかに超えた言語材料を根本に英語教育を実施しています。これが十分に成されていれば、小学生でも、一般よりも早く合格が達成できます。
特に、幼児・小学低学年から英語学習してきた場合、小学生のうちに3級合格は妥当な目標と言えるでしょう。長く英語を学習していく中で、マンネリに陥らず、モチベーションの維持をはかるためには、小学生に英検をうまく活用していくことは有効であると考えます。
(5)英検
合格目標のみの学習では伸びない!?
WILL英語館の通常授業では、ストーリーコンテンツをベースに、文法枠を越えた多種多様な英語をインプットしながら、あくまで長文思考力重視を主眼においた奥の深い英語力の養成を実践しています。
英検合格対策は試験前に短期集中的に行います。短期間で合格をなし得るのは平常のストーリーコンテンツの根深さの反映とみなしています。
英検合格のみを目標のカリキュラムに学習するのではなく、もっと多角的かつ本質的な奥の深い英語学習を先行させながら結果として英検にも受かる。これが理想と考えています。
(6)中学受験で広がる英語入試!
これは時代の趨勢といえます。幼児・小学生の英語学習が本格化してから、英語の堪能な子どもたちの数が今、飛躍的に増えています。私立中学校側も英語の強い子どもたちを選んでいくことは必然です。
現在においても、中学高校では英語はキー教科であり、国内外大学入試にも大きく作用する重要な教科なのでこの傾向はますます高まると思われます。
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)では、約63校が、国内で学んだ志願者対象に英語入試を加えています。今後さらに増加していく傾向です。
また英語入試を実施していない学校でも、入学選考の際、英語の実力を参考判断においている中学校は少なくはありません。小学時代に英検3級または準2級をクリアしていることが大きな優位性となってきました。

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